飲みすぎだ。
 自分の中のひそかな疑問として、本を読まない人はどうやって時間を過ごしているのだろう、に続き、お酒を飲まない人はどうやって時間を過ごしているのだろう、というのがある。いやわかる。それぞれに時間があり、それぞれに充実しているのだということはわかる。そして、ほぼ毎日何かしら飲んでいる自分は、「やや飲みすぎ」の範疇に入るのだろうということもわかる。わかるんだけどねー。
 何の拍子かわからないけど今日はべろべろに酔っ払ってますよ。外で飲んでたらとんでもない乱暴狼藉を働くところですよ。
 ああ、遠くへ行きたい。
 世の中にはどうにもならんことがたくさん。でもお酒を飲めば楽しい。ひとりでも楽しい。しかし、楽しさが醒めるのも一瞬のことで、ああ今なら死ねる、と思うことがよくある。
 そう思っているような人を、救ってあげたい、のではない、ただ一緒にごはんを食べて話をしてみたい、と思うことがある。自分はきっと、天秤の片側に乗って、力任せに傾けるような真似をしてしまうだろう。それは正しくないことだ。正しくないとわかっていても、そう望まれていると感じたら、傾けてしまう。
 望まれていることをしなくてすむ関係が、幸福であるのかどうか、よくわからない。お互いが相手の望んでいることをする関係が幸福であるのかわからないのと同じように。