来月異動することになり、ぼちぼち引き継ぎや準備などが始まった。異動先は新店なので、しばらくは仕事漬けにならざるをえない。あと1ヶ月しかないので、ぼちぼちとか言っている場合ではないのだが。まだ何もやってないのに金曜日までに発注終わらせないといけないなんて!そしてこんなときに限って読まなければならない本(図書館の貸し出し期限的に)が溜まっており、どうしてこんなことになったのかと呆然とする日々であります。がんばれ。でも、どんなに自分を励ましても自分はひとりしかいないよね。
 そういえば、今年は夏になっても自分のなかで炭酸ブームがあまり盛り上がらず、どうしたことかと思っております。去年が異常だったのか……。昨日今日などは涼しく、布団をかぶって寝るのにちょうどいいくらいでしたので、そのせいもあるのかもしれませんが。
 さて、仕事仕事。

 夏の文庫は一段落して通常の忙しさに戻る。暑くなったせいかだるさが抜けず。朝書籍の検品していたら、「1968(上)」という宛て紙のついた箱があり、束でくるとは一体何なんだ、と開けてみたら小熊英二だった。相変わらずのボリューム感。売れるとイイデスネー。小熊英二といえば、この間読んだ木地雅映子の小説の中で登場人物(高校生)が『〈民主〉と〈愛国〉』を読んでいたよ。

 雨の日は己の心の狭さを痛感する。混み合った駅の連絡通路で傘を振って歩く人とか、電車の中で傘を巻いてない人とか、傘を入れるビニール袋が落ちてもそのまま行っちゃう人とか、ああもうゆるせない!そしてそんなちまちましたことを気にしている自分がいちばんゆるせない!
 先週はわりと仕事が楽だったので、この隙に、と思ってがしがし本を読んだ。おもにミステリなどを。期待してなかったがやっぱり講談社Birthはいまいちだった。早川書房の想像力の文学はいまのところどれもおもしろい。ああ、あと伊井直行の新刊がとっても良かった。おすすめです。
 今週は担当分野的に一年で最大の山がくるのだけれども、計画の時点で何というか、こう、いまひとつやる気が出ない感じではある。それにしても、夏の文庫のラインナップって、段々つまらなくなっていってる気がするなあ。新刊と名作以外で売れるものがあればいいんだけど……。

 国文學の増刊号が高くて買えない……。発売日からずっと取り置き棚に入れっぱなし……(ほんとうは禁止されてます)。
 鹿島田真希の『ゼロの王国』を読む。最後のへんでうっかり感動してしまう。下敷きにされている『白痴』も読んだことがないので読んだらいいと思う。そういった動機で買った本が文字通り山となって部屋にあるのだけれど。避暑地のようなところで、1ヶ月ばかし本だけ読んで暮らせないものかね。とはいえ、いちばん読書がはかどるのは移動中なのだから、もっと積極的に外に出ていくべき、本を読むために、という倒錯した結論に。

 ここ数日、体調が悪かったり仕事の苛々を引きずっていたりで本があまり読めなかったので、今日はそれを取り戻すようにごくごくと読む。多和田葉子の『ボルドーの義兄』とアラン・ベネットの『やんごとなき読者』がおもしろかった。次は、『ユダヤ警官同盟』にするか、青木淳悟にするか……、と品定めしているときがいちばん楽しいねやっぱり。

 数カ月の店頭でのお勤めを終え、我が家へ移籍させた新潮文庫のぬいぐるみを見て思うことは、なぜこれほどまでに生き延びづらそうなカラーリングなのだパンダは、ということです。数年前に芽生えたパンダ愛を着々と育んでいる自分ですが、根本的な存在に対する疑念は拭いがたい。なんなんだ。そしてまたパンダ。